前立腺癌に対するIMRTのAIベース自動治療計画に関する論文がオンライン公開されました
東北大学大学院医学系研究科放射線腫瘍学分野と弊社で共同開発した強度変調放射線治療(IMRT)の自動治療計画技術の研究が、英語学術論文誌「Journal of Radiation Research」にオンライン公開されました。共同研究先である東北大学病院において弊社のAI自動計画のプロトタイプソフトウェアを前立腺癌に対して後ろ向きに評価して頂いた論文です。
Evaluation of deep learning-based deliverable VMAT plan generated by prototype software for automated planning for prostate cancer patients
Noriyuki Kadoya, Yuto Kimura, Ryota Tozuka, Shohei Tanaka, Kazuhiro Arai, Yoshiyuki Katsuta, Hidetoshi Shimizu, Yuto Sugai, Takaya Yamamoto, Rei Umezawa, Keiichi Jingu
論文掲載ページ
論文概要
この研究は、前立腺がん患者を対象にAIベースの自動計画支援システム (AIVOT、プロトタイプ バージョン) を使用して生成されたAIベースの照射可能な強度変調回転放射線治療(VMAT) 計画の臨床的評価を目的としています。 東北大学病院で VMATで 治療(70-74 Gy/28-37 fr)を受けた前立腺がん患者 68 人の VMAT データ(cliDose)を使用しました(トレーニング用 n = 55、検査用 n = 13)。 AI治療計画と従来の試行錯誤して計画された臨床計画を2種類の方法で評価しました:①標的及びリスク臓器へ線量、➁経験豊富な放射線腫瘍医による視覚評価による盲検計画スコア。
全患者における AI計画 と 臨床計画の間の標的の平均絶対線量差は 1.32 ± 1.35% で、リスク臓器の平均絶対線量差は 2.08 ± 2.79% となり、AI治療計画と臨床計画間の平均誤差は±3%以内でした。また、 膀胱および直腸への被ばく線量は、AI治療計画が臨床計画よりも低減できているという結果でした。
また、 AI計画 と 臨床計画 に対する放射線腫瘍医による盲検計画スコアは、それぞれ 4.54 ± 0.50 と 5.0 ± 0.0 でした (すべての計画のスコアは 4 点以上、P = 0.03 ※得点基準 3点 =臨床許容できるレベル)。この研究は、前立腺がんに対する DL ベースの成果物計画が臨床的に許容可能なレベルに達していることを実証しました。 したがって、AIVOT ソフトウェアは、前立腺がん患者に対して介入なしで自動計画を実行できる可能性を示しました。