AMEDデジタルヘルスケア開発・導入加速化事業に採択

アイラト株式会社は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)が公募した令和6年度「デジタルヘルスケア開発・導入加速化事業」において、当社が提案した「ガン放射線治療計画用AIソフトウェアに関する費用対効果エビデンス構築研究」が採択されたことをご報告いたします。

 今後、放射線治療AIソフトの費用対効果を明らかにするため、規模や特性の異なる9つの医療機関で多施設共同試験を実施します。業務効率化や負担軽減、診療報酬の増加といった導入効果を定量的に評価し、医療機関にとってのメリットをエビデンスとして発信していきます。

今回の研究開発について

研究の背景と課題

 がん治療における高精度な放射線治療手法として「強度変調放射線治療(IMRT)」の導入が進む一方、放射線治療計画には極めて高い精度と膨大な作業時間が求められています。

IMRTの照射時間は15分程度ですが、照射計画には約6時間を要し、多くの医療機関ではIMRTを十分実施できていない状況です。

AIによる業務負担の軽減:放射線治療AIソフトの開発と導入効果

 こうした課題を解決するため、当社はAIを活用した放射線治療計画AIソフトを開発しました。

弊社ソフトウェアは以下の3つの主要機能を備え、IMRTにおける業務効率化を実現します。

・正常組織の自動輪郭抽出機能

・半自動照射領域決定機能

・バーチャル安全性検証機能

 パイロット導入を行った高症例数医療機関(high volume center)2施設において、IMRTの治療計画業務時間を約45分に短縮。従来の約1/8に相当し、劇的な省力化が確認済み。

また、IMRTの計画業務では、ミリ単位での手動入力が求められ、医師に大きな心理的ストレスを与えていましたが、放射線治療計画AIソフトの導入により、この精神的負担も大幅に軽減されることが期待されています。

導入メリット

 本研究では、治療計画AIソフトによる以下の3点の効果を定量的に評価しています。

・業務時間の削減による人件費の削減

・心理的負荷の軽減

・IMRT症例数の増加による診療報酬の増収

 治療計画AIソフトの導入効果が明確になれば、医療機関の導入意欲が高まり、販売戦略の最適化が可能となります。治療施設規模に応じた効果の評価が持続可能なビジネスモデル構築の鍵となります。 

令和6年度 「デジタルヘルスケア開発・導入加速化事業」の採択課題について

(AMEDウェブサイト)

https://www.amed.go.jp/koubo/12/01/1201C_00124.html